◯ 口 腔 内 科
口腔内科(oral medicine)とは「歯科患者の口腔だけに視点を向けず、大局的立場に立ち、全身的背景を考慮した口腔疾患の診断と治療を目的とし、外科的なアプローチを主体とせずに口腔の医療にあたるもの」と定義されています。
・・・・・下記に、いくつかの症例を、ご提示いたします。・・・・・
【スプリント療法】お口の中に、マウスピースを装着することにより、いくつかの疾患に対処することができます。
【顎関節症・歯ぎしり など】顎がだるい・口を大きく開けることができないなどの症状は顎関節症(TMD:Temporo-Mandibular Disorders)かもしれません。このような方には、薬物療法(消炎鎮痛剤)・顎関節周囲のストレッチング・スプリント など、保存的療法を行います。
【睡眠時無呼吸】 睡眠中、舌がのどの奥に落ち込み、間欠的に呼吸が停止することがあります。
内科医などにより”睡眠時無呼吸”と診断された場合、口腔内装置による対応を行います。
【口腔乾燥症】 「口の中が乾く」方においては、唾液量(安静時・刺激時)を測定するとともに、”唾液腺マッサージ”について説明します。 また、”シェーグレン症候群”が疑われる方については、厚労省による診断基準に基づいて”血液検査”や”口唇生検”も、当院にて行います。
【唾液腺マッサージ】
【真菌症(カンジダ症)】 カンジダ(カビ・真菌)は、口の中に常在しており、時に、軽度の痛みや違和感の原因となります。直接的に全身疾患を引き起こすことはきわめて稀ですが、バイオフィルムの形成には関与しているため、薬剤および機械的な除去による対処が必要です。(引用資料-4)
当院では、培養検査↑を行い、診断材料としています。
【口の中の ビラン〜口内炎】 ”ヘルペス性口内炎”についてはお薬を処方しますが、大部分の口内炎において、原因を特定することはできません。ただ、口の中を清潔に保つことと慎重な経過観察、さらに”癌(がん)”との鑑別は重要です。
【食支援】飲み込み(摂食嚥下)が低下した方への歯科的アプローチ(= 広義において、歯科とは ”食支援”です。)”飲み込み”が低下した方に対して、嚥下に関する簡易的な診査を行った後に、専用の内視鏡を用いて嚥下の様子を観察します。 さらに、”日本摂食嚥下リハビリテーション学会”の指針に準じて、嚥下の訓練や食事形態の検討を行います。